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梅雨から夏に酷くなりやすい犬の皮膚炎①

今日のテーマですが、ワンちゃんに多い「皮膚炎」です。
特に皮膚炎というのは梅雨時期から夏にかけて圧倒的に増えます。梅雨時期から夏におきる皮膚炎というのは冬場におきる皮膚炎と違い、
一旦治ったかな?と思っても繰り返し繰り返しひどくなるという時期です。この原因についてどのように対処したらいいか、という事について「7つのポイント」に
まとめてお話していきたいと思います。

特に発生しやすい梅雨時期から夏に酷くなりやすい皮膚炎ですが、
冬場の注意事項とも重なってきますので、一緒に学んでいただければと思います。

まず、なぜ皮膚炎がこれほど多いのか?
繰り返しお話ししていますが、ワンちゃんはオオカミが先祖だといことがとても重要です。
オオカミというのは北極に近い非常に寒い地域に住んでいる動物です。

日本人が飼うワンちゃんというのはほとんどが、プードル、ダックス、チワワ、
ラブラドール、ゴールデンレトリバーというような西洋のワンちゃんが中心を占めています。

ワンちゃんたちは元々どういうところに住んでいたのかというと、ヨーロッパです。
西洋の涼しい地域に住んでいました。

涼しい地域にいたオオカミが、涼しい地域のヨーロッパで品種改良され住んでいました。
そのワンちゃんたちがいきなり日本に来ました。

日本の夏はどうでしょう?

こういう状況において、過去ワンちゃんが歴史的に進化の過程で体験したことがない…
体験したとしてもヨーロッパで数日か1週間程度の暑さが、
日本においては、梅雨時期から9月まで何ヶ月も続くという環境です。

この環境において、ワンちゃんの皮膚が耐えられなくなります。
これが皮膚炎がおきている大きな原因になります。

①温度について

まず1番目、「温度です」日本においては、夏場25℃以上というのごく普通です。
しかし、ワンちゃんの適温は25℃以下、できれば25度未満になります。25℃を超えると、犬たちの皮膚は悲鳴を上げだします。
30℃を超えると、どの犬種も耐えられないという事になります。

ワンちゃんの皮膚の為には、犬が過去に体験したことのない日本の暑さから
物理的に下げてあげる必要がでてきます。

25℃を超えたらエアコンをかけてあげて、
30℃以上にはあげないということが重要になってきます。

特に皮膚炎になったことがある愛犬は温度管理が重要になってきます。

②湿度について

2番目は「湿度です」
犬は湿度に弱いです。なぜかというと、人間と比べて犬の方が皮膚の角質、表面が弱いからです。
その為、水分、高湿度にふれると、皮膚がふやけたような状態になります。
私たちもお風呂に入ると皮膚がふやけますが、そのような状態になるのです。ふやけた状態の皮膚というのは角質の抵抗力が弱くなり、浸出液という中の水分が外に出てきて、
それがきっかけでかゆみが出たり、湿度が高くなることによって、皮膚がふやけて弱くなります。
この状況において、皮膚の表面、毛に細菌が繁殖しやすくなります。

私たち人間でも、頭の毛の中がむしむしするとかゆくなるように犬も体がかゆくなるんです。
かゆいのでワンちゃんが歯でかんでいきます。あと爪でこすったりします。
皮膚の表面が弱っているときに、噛んだり、こすったりすると皮膚の表面の膜が破けます。

私たちも蚊に刺されてかきむしってしまうと、中から汁が出てきますが、
汁が出てくると、益々かゆくなって、痛くなって、そこをワンちゃんが噛みます。
するとまた浸出液という中の水分が出てきてかゆくなる、という悪循環をおこします。

私たちが愛犬にできることは浸出液が出る前に手を打つ必要があります。

皮膚がふやけないように湿度を低く保ちます。

ワンちゃんの毛の中に顔を入れてみて、
嫌なニオイ、ムシムシするニオイがするときは要注意です。

そういう時には、(エアコンの)ドライをかけたり、
温度が上がっていなくても湿度を下げる、というような心遣いが犬には必要になってきます。

湿度が高くても、犬は人間のように皮膚から汗を出し体温を低くするという事ができません。

犬で、汗腺という汗が出るのは、足の裏と、あと、
舌を出して口の中、舌の気化熱を使って体温を下げるしかありません。

部屋の湿度、外の湿度が低い状態だと、
口の中の水分が気化することによって温度が低くなるのですが、
気化ですから、湿度が高いと体温を下げられないという事で、
人間の体温調整よりも、5~8倍、犬の体温調整は難しいと覚えておいてください。

温度が高くて、湿度も高い状態というのは犬にとって、最も過酷な状況です。

散歩はワンちゃん大好きですから行きたいです。
でも、注意して頂きたいのはアスファルトの温度です!

③散歩について

夏場、気温が下がってきたときに散歩をしてあげようという飼い主さんが多いのですが、
実際にアスファルトの温度がどれくらいかというのを
手で触ってチェックしてあげる必要があります。(アスファルトにふれて)室温より、自分の手より温かいと感じると、
手の温度が30℃~35℃くらいですから、それよりも温かいという事になりますので、
はるかに(犬にとっての適温を)超えていることになります。ですので、アスファルトを触って、熱いときというのは、散歩としては最悪な状況に近いです。

それでも涼しくなった時に散歩に連れていくわけですが、
それでもアスファルトの温度が下がっていないときは…

家に帰って来たときに、部屋の温度湿度をエアコンによって下げてあげ、
愛犬の体温が1~2時間で下げられる状況を作ってあげることで、
皮膚炎を防止していくことができます。

④シャンプーについて

夏場、臭くなりますし、シャンプーをします。
水分がつくと皮膚がふやけて、細菌が繁殖しやすくなってかゆみが出て、
自分で皮膚をかきこわします。シャンプーで多いのが、充分に乾かすことなく放置をすると、
特に梅雨時期、湿度が高いです。夏場、温度が高いです。
かゆみが出ます。私たちは、(ワンちゃんの)体の表面や背中は乾かすのですが、見落としやすいのが、指の間です。
かゆみがおきるところは、指の間、お腹の面です。

ワンちゃんはお腹を下にしていますので、上の方の水分をとばしても、
水分がどんどん下に集まってきてお腹の部分の湿度が高くなったり、
または、水分で濡れたままの状態になります。

そこからかゆみが発生しますので充分にからだ全体を乾燥させますが、
梅雨時期、夏時期に最後まで乾燥させなくてはならないのは、指の間です!

ここがむれて、噛みこわして
腕全体がかゆみが抜けないという症状になります。

指の間に人間の指を入れてドライヤーをかけて乾燥させてあげる。
あと、お腹の方は人間がちゃんとさすりながら、完全に乾いたのを確認してあげるということが
愛犬のシャンプーにおいて重要なことになります。

⑤耳掃除について

5番目は「耳の掃除」です。シャンプーのときに耳に水が入らないように注意してあげながら、
常に、耳の中が乾燥して、清潔な状態を保ってあげるということが重要になってきます。耳からかゆみが全体にとぶ、あと耳自体が皮膚の疾患で調整できなくなるということがあります。

特にたれ耳の犬はおきやすいので、時々耳をリボンのように上にあげてあげ
通気性をよくしてあげるという事が、重要になってきます。

ここまでが体の表面から見たことで、今度は内側から見ていきましょう。

続き、梅雨から夏に酷くなりやすい犬の皮膚炎②こちらから